2010年相続税ゼロは、アメリカ合衆国の連邦遺産税の話です。これは事実で、アメリカ合衆国では、どんな大金持ちでも2010年に亡くなった人には連邦遺産税(遺産税)は課されません。
この遺産税廃止は、前政権ブッシュJrの時代に立法化されましたが、この法律が日本でいうところの「時限立法」だったことから、本年限りでその効力は失い、2011年から遺産税は復活し,現段階では2001年以前の規定に戻る予定です。
◆遺産税の特徴
実際には、故人に代って遺産財団が組まれ、遺産管理人又は遺言執行者が納税をも含めた相続業務を遂行します。申告期限は、原則、亡くなった日から9ヶ月以内です。
◆相続により取得した遺産の取得価額
しかし、遺産税廃止年度に限って、キャリーオーバー方式と言って、被相続人の取得価額を引継ぐことになっています。この場合、遺産の譲渡に際して、一般的には、キャピタル・ゲイン課税が生じます。
この取得価額の引継ですが、厳密には、被相続人の取得価額と死亡時の時価とのいずれか低い方になりますが、一定の要件を満たす場合には、加算調整が行われ、被相続人の取得価額に一定額(130万ドル、配偶者300万ドル)の加算が行われます。
◆遺産税と所得税の二重課税